中国河南省
中国、スーダンPKO派遣部隊を公開
【沁陽(しんよう)(中国河南省北部)】中国政府は15日、国連の平和維持活動(PKO)で10月初めからスーダンのダルフール地方に派遣される人民解放軍の工兵部隊が出発を待つ河南省沁陽の訓練施設を内外記者団に公開した。
「ダルフール紛争でスーダン政府の虐殺行為を黙認している」との対中批判が強まるなか、中国にとって、同部隊は当面、国際社会との協調をアピールする切り札となる。
青い国連の帽子や迷彩ヘルメットをかぶった工兵が、乾いた土煙をあげて走る。ブルドーザーが通った後の道を兵がシャベルでならすと、すぐにローラー車が来て瞬く間に「道路」ができた。その間、架橋を担当する部隊は、溝に簡易鉄橋をかけていた。銃声。何人かが倒れる。武装勢力の襲撃に備えた訓練だ。救護と援護射撃が始まり、装甲車が突進した。
派遣部隊の総勢は315人。8月下旬に国連から正式の展開要請があった。145台の重機を運び込み、政府の支配下にある南ダルフール州都で、民用の道路や橋などの建設、井戸掘りなどを行う。
「今後、だれがどんなに中国を非難しようが、我々はダルフール問題のために前向きで建設的な役割を果たしていく」。国防省平和維持事務弁公室の戴紹安・副主任は、記者団に力説した。
最も若い派遣兵士は19歳。故郷や家族について笑顔で話す兵たちも、ダルフール問題をめぐり北京五輪ボイコット論まで出ている国際政治状況については、「私たちは軍人。任務をこなすだけです」と短く答えるだけだった。
あくまで国連の指揮下にあることが強調される部隊の派遣は、「石油資源確保のために、虐殺を行うスーダン政府と手を結んでいる」などという非難に対する明らかな“反論”だ。
もっとも、中国は、国連PKO参加による国際的非難の回避だけを求めているのではなく、それは第一歩に過ぎない。
中国が真に目指すものは、中国がスーダン政府に影響力を行使した上での国連主導の問題解決とみられる。「資源外交」と揶揄(やゆ)されるスーダンとの友好関係が正当化され、アフリカに対する政治的影響力を国際的に確立できるシナリオだと言える。
胡錦濤・国家主席は今年7月、訪中したスーダンのサルバ・キール・マヤルディ第1副大統領に対し、反政府勢力、国連との協力、ダルフール地区の人道状況の改善の重要性を強調した。スーダン政府に対する中国の圧力だった。
派遣部隊の林宏・大隊長は「中国政府、人民を代表してダルフールの平和維持に貢献する」と決意を語った。